中小企業景況レポート

中小企業月次景況調査(全国中央会取りまとめ)
平成14年11月分

= 最新版レポート(12月) =
中小企業景況レポート・12月
12月の県内景況は厳しさが少しやわらぐ    
 情報連絡員による平成14年12月の県内中小企業の景況は、 業界全体として「低調」とするところが71.9%(前月比-7.0)、「好況」7.0%(同+5.2)、「横這い」21.1%(同+1.8)となり、好調業種と横這い業種とも増加し、低調とする業種のみ減少する状況となりました。全産業の項目別前年同月比DIを見ても、「雇用人員」以外は改善しており、県内景況は年末に来て厳しさがやや和らいだ様子です。
 景況天気図を見ると各業種ごとで状況は異なっていて、やや改善している業種もあれば悪化している業種もあります。情報連絡員の個別の報告では、今月も廃業や企業倒産、デフレに関する報告などが寄せられており、厳しい状況のまま年末を迎えたことがうかがわれます。
 一方、来月の見通しで、好転、やや好転の見込みとの回答は5.3%(前月比-14.0)(好転の回答1件、やや好転の回答2件)でした(製造業1、非製造業2)。製造業、非製造業ともに平成15年1月の見通しは明るさが見えないようです。
 平成14年12月の景況について、情報連絡員からの報告は以下のとおりです。 (回収率95.0%)

【全産業の項目別前年同月比D.I】

売上高        -40.3 在庫数量      -17.8 販売価格      -36.8
取引条件      -22.8 収益状況      -52.6 資金繰り       -40.3
操業度(製造) -42.4 雇用人員      -26.3  
-前年同月比業況- 「好転」          1.8 「悪化」         57.9
 
 〜景況天気図(12月)〜 
D・I値基準値
快晴 +30以上 うすぐもり +10未満〜-10 -30未満〜-50
はれ 30未満〜10 くもり -10未満〜-30 大雨 -50超

景況天気図
業種区分&項目別D.I.  売上高  販売価格  収益状況 
前月比  前年同月比  前月比  前年同月比  前月比  前年同月比 
食料品製造 62.50 -50.00 0.00 -25.00 25.00 -50.00
繊維製品製造 -100.00 -100.00 0.00 -100.00 0.00 -100.00
木材木製品製造 25.00 -50.00 0.00 -100.00 0.00 -75.00
鉄工機械製造 -25.00 -50.00 -25.00 -50.00 -75.00 -75.00
その他の製造 25.00 -62.50 -12.50 -50.00 -25.00 -62.50
卸売業 50.00 -25.00 25.00 50.00 50.00 -25.00
小売業 33.33 -22.22 0.00 -22.22 -11.11 -33.33
商店街 0.00 -50.00 -16.67 -33.33 -16.67 -33.33
サービス業 75.00 75.00 0.00 -25.00 50.00 -25.00
建設業 -40.00 -100.00 -20.00 -60.00 -40.00 -80.00
運輸業 66.67 0.00 0.00 -33.33 33.33 -66.67
 
業種区分&項目別D.I.  資金繰り  雇用人員  業界の景況 
前月比  前年同月比  前月比  前年同月比  前月比  前年同月比 
食料品製造 0.00 -25.00 12.50 -50.00 -12.50 -50.00
繊維製品製造 0.00 -50.00 0.00 -100.00 -50.00 -100.00
木材木製品製造 0.00 -50.00 0.00 -25.00 0.00 -75.00
鉄工機械製造 -50.00 -50.00 -25.00 -50.00 -100.00 -75.00
その他の製造 -12.50 -37.50 -12.50 -25.00 -50.00 -75.00
卸売業 -25.00 -25.00 0.00 -50.00 0.00 -25.00
小売業 0.00 -11.11 11.11 0.00 -11.11 -44.44
商店街 -33.33 -50.00 -16.67 -16.67 -50.00 -50.00
サービス業 0.00 -25.00 25.00 -25.00 0.00 -25.00
建設業 -20.00 -80.00 0.00 -20.00 -40.00 -80.00
運輸業 0.00 -100.00 33.33 33.33 0.00 -33.33

〜関係業界全体の景況〜
グラフ
:全体的に悪い :部分的に悪い :横這い
:部分的に好況 :全体として好況

〜来月の見通し〜
グラフ2


食品製造業
乳製品
 あぶくま乳業鰍ヘ、平成14年12月をもって商標権と営業権を東北乳業鰍ヨ譲渡し、会社を清算した。
 同社は、明治27年、岡田牛乳舎として創業し、いわき地区では永く親しまれてきたが、昭和60年に雪印乳業と業務提携して福島雪印牛乳鰍ニなり、平成14年5月にあぶくま乳業鰍ノ社名を変更し営業を行ってきた。
 今回のような事態に陥ったのは、親会社である雪印乳業鰍ェ全国農協直販梶Aジャパンミルクネット鰍ニの3社で、牛乳事業の統合新会社である「日本ミルクコミュニティ梶vをこの1月1日に設立して再出発したが、この事業計画の中であぶくま乳業鰍ヨの委託生産が入れられなかったことが一つの要因と言われている。
豆腐油揚
 平成14年の年末は寒い割には売れ行きが横ばいで、前月比、前年同月比ともあまり伸びが見られなかった。ただ鍋物の消費が多かったためか、例年になく焼きどうふが売れたのが目立った。
 なお、郡山では5代程続いた最も古い豆腐屋が廃業した。  
パン
 依然として低迷したままの業況であり、混迷のまま年を越すことになった。しかし、少しでも明るい話題を探すと、昨年10月に熊本市を会場に開催された全国技能五輪大会で、小高町の若い女性技術者が洋菓子部門で銅賞に入賞したことが挙げられる。これは、一昨年の福島大会での金賞入賞(男性)に続く快挙で、関連業界としても若い世代の台頭に明るい未来を予感している。
味噌醤油
 例年12月は商品が動き始めるのだが、この12月は全般的に出荷が伸びなかった。月の中旬頃から徐々に出荷・生産が回復したものの、平成13年12月の動向とはかなり異なった状態であった。
 また、1〜12月の出荷数量も平成13年と比較して減少気味であり、平成15年の予想も不安を感じざるを得ない。このまま低迷が続くと、当県の中小零細企業はさらに経営が不安定となり、廃業などで脱退する組合員が出て来るのではないかと懸念している。景気の回復を願っている。
 今年4月からは、JAS法見直しによる問題など、山積している諸々の問題があり、何とか組合員が生き残っていってほしいと祈っている。
乾麺
 乾麺類で伸びているのは「そば」だけである。うどん、冷やむぎなどの白ものは、季節的に動きが悪くなっている。その上、価格競争は下げ競争化し、消費者不信も起こると業界紙は警告している。

繊維・同製品
ニット
   12月4〜5日のジャパンクリエーション(東京開催)が好評だった。
 また、例年開催している地元での販売会はいずれも好調に推移した。
縫製品
 平成14年は、当業界で廃業した企業が多かった。世の中の変化に対してどうしようもない状況である。
木材・木製品製造業
製材業
 (外材輸入)  2002年の新設住宅着工数は115〜116万戸(前年比98%前後)となる見通しであるが、持ち家、一戸建ての不振は総着工数の減とは比較にならない悪さである。よって我々製材メーカーにとっては尚一層厳しい状況が続くものと思われる。

紙・紙加工品製造業
紙器段ボール箱
 段ボールシートの値上げ攻勢が強まっている。10月12日付けの日経新聞に「段ボールシートが15%値上げで決着」との記事が掲載されたが、その内容によると「原紙の主原料になる段ボール故紙の価格も上昇しており、原紙の値下がりの可能性が少なくなったことも、シート値上げ交渉を加速させた一因」とあるが、現在の経済状況の中で段ボール原紙値上げと段ボールシート値上げを仕切られてしまった。この値上げ分を製品価格に転嫁しきれないケース専業者は非常に厳しい状況である。
 貸し渋り、貸しはがし、保証条件の厳しさ等の情報が多くなっている。
出版・印刷
印刷
 諸官庁の発注が厳しく、受注価格がかなり下落している。
 年賀状印刷は家庭へのパソコン普及により、各社とも受注減少になり苦戦している。また、若い人は出さないか、携帯メールで新年あいさつをするなど、こうしたことも影響していると思われる。
 不況を反映してか組合員の脱退が目立つ。
窯業・土石製品製造業
コンクリート製品
 需要期に当たるため売上高は前月比で115%と増加しているが、前年同月比で見ると74.8%と激減しており、公共事業の削減の影響が如実に反映されている。
砕石
(県北地区) 台風6号による災害復旧工事が発注され、砕石の出荷増が期待されている。
(いわき地区) 売上は増加したが安価材が多く収益は好転していない。
生コン
 官公需・民需ともに低調である。
鉄鋼・金属・一般機械製造業

各種プラント機器
 当プラント設備関連業界は、長引く民間設備投資の低迷の影響で低調裡に推移しており、依然として厳しい状況である。今後もこの状況が続くものと予想されるが、高付加価値製品(独自技術)の営業展開、市場開拓を強力に推進し業績の向上を図って行きたい。

電子工業
 12月〜2月は携帯電話関係の仕事以外は見あたらない感がある。従って3月以降の状況が不透明である。どんどん縮小傾向が続いて行くと思われる。

卸売業
卸売業
 (県中地区)  年末商戦の影響で売上は比較的順調に伸びた。しかし年々季節感がなくなっており、年末だからといって売上が急増するという事はなくなってきている。

 (県南地区)  景況は依然として厳しく、売上高等は前年同月比で10〜20%の減少を見ている。賞与支給もままならない企業が散見される。
 金融機関は、貸したくても貸せずに貸し渋りを続けており、組合員は資金繰りが苦しい企業が大半である。組合事務局としても、どうすることも出来ないもどかしさを募らせている。  
再生資源
 例年12月は再生資源は発注増の時期であるが、景気低迷や産業空洞化の影響もあって前年を下回る荷動きであった。ただ荷が少ないことが単価の上昇に結びつき、部分的には景況に改善感も見られた。
 しかし業界全体としては依然として厳しく、ボーナスを支払った企業は2〜3割程度である。今年こそ経済が活性化してほしい。
肥料卸
 冬の訪れが早く積雪もあるため施肥が行いにくく、肥料の出荷が減少している。
 1月に入れば春向けの出荷が見込まれる。
小売業
石油
 12月は原油コストが前月より減少したものの、元売り各社では仕切価格を前月同様据え置いた。これは販売店における小売価格が、競争が厳しいために依然として低価格であり、コスト回収が思うように進んでいないのが原因となっている。
鮮魚
 当業界の目玉商品であるお歳暮の新巻サケも年々減少して来ている(切り身は横ばい)。また、大型店が元日営業を行ったこともあって年末商戦は盛り上がらず、前年比で下回った。
米穀
 正月用にもち米等の需要が若干増加したが、慢性的な過剰基調のなか全般的に需要は低調のうちに推移している。
 販売競争は厳しく、組合員の経営は全体的に苦しくなっている。

商店街
福島市:
 12月なのに普通の月よりも売上が悪く、特に月末の年末商戦が低調であった。
 国土交通省福島工事事務所が行ったアンケート調査結果が、「福島西道路の開通後、中心市街地が悲鳴」とのショッキングな記事としてプレス発表された(福島民報12月7日付)。
 道路開通後、中心市街地への来訪機会が「回数が減った」28%、「ほとんど行かなくなった」23%と中心市街地の集客力に大きな影響があった。一方、「買い物の利便性が向上した」59%、「自動車走行がスムーズになった」50%と、開通効果が証明された。新しい道路建設は、中心市街地にとってはマイナス面が大きすぎるので見直しが必要である。  

郡山市:
 12月21日から25日まで、恒例の「2002年歳末大売出し」を実施した。郡山市商連加盟の商店街では当組合を含めて4商店街において行われたが、残念ながら大型店の売出しに埋没した形になってしまった。
 なお、当組合の特賞(1万円の金券)当選者は新市内まで比較的広範囲に及んでおり、まずまずの成果と評価している。
原町市:
 日毎に不況風が強く、お客様のお買物にも変化が見られる。クリスマスを境とした各種イベントでもこの変化が見られた。例えば、Lサイズ卵10ケパック(最低仕入値98円程か?)を50円の出血サービスでもお客様は手を出さない。このような時代なのかとつくづく感じるこの頃である。
サービス業 
クリーニング
 個人消費の減退が当クリーニング業界にも多大な悪影響をもたらし、クリーニング需要の減少に歯止めがかからない状況である。これで9年連続前年割れである。
 組合及び組合員店は、この平成15年を生き残り、勝ち残るために、新たな需要喚起に全力を挙げて行きたい。
美容業
 年末ということで12月は前月より好調であった。これは各種パーティ等の行事が多いためと思われる。ただし、年々街全体の活気が乏しくなって来ている。
 平成15年はどのように経済が動くのか全く不透明である。美容業界もどうなって行くのか心配である。
旅館業
 (土湯温泉) 宿泊客数は前年対比横ばいで推移したが、客単価は下落している。旅館業にもデフレの影響が出ている。
建設業
建設業
 (県一円)   平成14年を振り返ると、建設業界にとっては予想以上に厳しい状況であったが、工事の減少による倒産・解散(清算)会社は思ったよりは少なかった。平成15年はより以上厳しくなると思われるので、大都市における都市再生政策よりもまず、沈滞した地方経済の景気浮揚とまだまだ立ち遅れている社会資本整備の拡充のため公共事業の発注を望みたい。
 (県南地区)  台風関係の災害復旧工事(河川)が11月末から合計して8億円発注されたが、コンクリート二次製品の使用が多く利幅はあまりない。その他下水道の発注が若干あった。
管工事
 給水、排水設備申請とも前月比で減少した。前年同月比の累計でも両申請は減少しており、今後の見通しも厳しいものがある。(福島市)
運輸業  
トラック運送
(県北地区)  トラック業界では今、過当競争が常態化して低運賃に喘いでいる。
 また、今年10月からは東京都などで環境確保条例や自動車NOx(窒素酸化物)・PM(粒子状物質)法などが施行される。これによってディーゼル車への環境規制が厳しくなり、車両の代替えや速度抑制装置(スピードリミッター)の装置義務など環境対策のために大きなコスト負担増が強いられる。これは企業の存亡に関わる問題で、経営が成り立たなくなる危機に直面している。
ハイヤータクシー
 雪など天候による利用増は多くは認められなかった。前月比では微増であったが、前年同月比では悪化した。