中小企業景況レポート

中小企業月次景況調査(全国中央会取りまとめ)
平成16年3月分

= 最新版レポート(4月) =
中小企業景況レポート・4月
4月の県内景況はやや厳しさ強まり、一歩後退の様相
 情報連絡員による平成16年4月の県内中小企業の景況は、業界全体として 「好況」とするところが8.9%(前月比-2.0)、「低調」62.5%(同-6.6)、「横這い」28.6%(同+8.6)と、好況業種と低調業種が減少してその分横這いが増加しています。 全産業の項目別前年同月比DIを見ると、前月は全ての項目で改善しましたが、今月は「収益状況」、「販売価格」等5つの項目が悪化しています。特に「収益状況」は前月が-25.5、今月は-33.9と8.4ポイントの悪化となっています。各判断項目や個別の報告を見ると4月はやや厳しさが強まり、県内中小企業の景況は一歩後退といった様相です。
 一方、業種別に「業界の景況」を見ると、木材木製品製造(前月比±0、前年同月比-75.0)で悪化していますが、鉄工機械製造業(前月比+20.0、前年同月比+33.3)とサービス業(前月比±0、前年同月比+25.0)は改善傾向が続いています。他の業種については、鋼材、原油、大豆などを始めとする原材料価格の上昇が、企業収益を悪化させているとの報告が寄せられています。建設業界とこれに関連する業界では公共工事の減少や過当競争に関する報告が、また小売業等では消費税が総額表示(4月1日より開始)になったために売上が減少したとの報告も一部寄せられていて、県内中小企業は新年度も厳しい環境の中での始まりとなっています。
 来月の見通しは、好転、やや好転の見込みとの回答は14.3%(前月比-3.9)(好転の回答2件、やや好転の回答6件)でした(製造業4、非製造業4)。5月は改善見込みがやや減少しています。
 平成16年4月の景況について、情報連絡員からの報告は以下のとおりです。 (回収率93.3%)

【全産業の項目別前年同月比D.I】

売上高        -28.6 在庫数量      -15.9 販売価格      -14.3
取引条件      -19.6 収益状況      -33.9 資金繰り       -21.4
操業度(製造) -14.8 雇用人員      -19.6  
-前年同月比業況- 「好転」          7.1 「悪化」         41.1
 
 〜景況天気図(4月)〜 
D・I値基準値
快晴 +30以上 うすぐもり +10未満〜-10 -30未満〜-50
はれ 30未満〜10 くもり -10未満〜-30 大雨 -50超

景況天気図
業種区分&項目別D.I.  売上高  販売価格  収益状況 
前月比  前年同月比  前月比  前年同月比  前月比  前年同月比 
食料品製造 42.86 14.29 0.00 0.00 42.86 -14.29
繊維製品製造 -33.33 -66.67 -33.33 -33.33 -66.67 -100.00
木材木製品製造 0.00 -75.00 -25.00 -75.00 -50.00 -75.00
鉄工機械製造 0.00 20.00 0.00 0.00 -40.00 20.00
その他の製造 -25.00 -75.00 -12.50 -25.00 0.00 -37.50
卸売業 40.00 -40.00 -20.00 20.00 0.00 -40.00
小売業 -16.67 -33.33 16.67 0.00 -16.67 -33.33
商店街 -16.67 -33.33 -33.33 -33.33 -33.33 -16.67
サービス業 50.00 0.00 25.00 25.00 0.00 0.00
建設業 -100.00 -20.00 -20.00 -40.00 -60.00 -60.00
運輸業 -33.33 0.00 -33.33 0.00 -66.67 -66.67
 
業種区分&項目別D.I.  資金繰り  雇用人員  業界の景況 
前月比  前年同月比  前月比  前年同月比  前月比  前年同月比 
食料品製造 14.29 0.00 14.29 0.00 14.29 -28.57
繊維製品製造 0.00 0.00 0.00 -33.33 0.00 -66.67
木材木製品製造 -25.00 -25.00 0.00 -50.00 0.00 -75.00
鉄工機械製造 -20.00 -20.00 20.00 0.00 20.00 33.33
その他の製造 -12.50 -37.50 0.00 -37.50 -12.50 -62.50
卸売業 0.00 0.00 0.00 -40.00 20.00 -20.00
小売業 -16.67 -16.67 0.00 0.00 -16.67 -33.33
商店街 -33.33 -16.67 -33.33 -33.33 -33.33 -33.33
サービス業 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 25.00
建設業 -60.00 -60.00 -20.00 -20.00 -60.00 -60.00
運輸業 -33.33 -66.67 0.00 0.00 -33.33 -33.33

〜関係業界全体の景況〜
グラフ
:全体的に悪い :部分的に悪い :横這い
:部分的に好況 :全体として好況

〜来月の見通し〜
グラフ2


食品製造業
乳製品
 学校給食用牛乳には、平成15年度から1本当たり50銭の補助金が国から支払われていたが、平成16年度を限りに廃止されることになった。生徒1人当たりの年間供給日数は平均180日前後であるため、1人当たり年間90円程度の軽減となっていた。廃止理由は、政策評価の結果等、より効果的な政策を求められたことによるものである。
豆腐油揚
 4月は桜の開花が早かったこと、天気が良かったこと、山菜が旬の時期であったことなどが重なって、油揚等の加工品が目立って動いた。  
パン
 当業界の景況は依然として低迷したままの状態が続いている。本組合では過去10年間で30名の組合員が脱退。平成15年度も2名の脱退者が出たが、経営者の老齢化、後継者難に加えて先細りの学校給食、老朽化した機械・設備更新のための資金不足等が引き金となり、今後もこの様なケースがなお増加するのではないかと心配している。
味噌醤油
 味噌・醤油の主原料である大豆価格が高騰し、組合員企業に深刻な影響を及ぼしている。価格の上昇のみでなく、原料大豆の不足も問題である。特に国産大豆が不足しているために、使用したくても制限せざるを得ない状況にある。
 価格の面についても、他県の大手メーカーの製品が低価格で販売されているため、現状では味噌・醤油の価格を上げることも難しい状態である。こうしたことから、中小零細の組合員は非常に苦しい経営を強いられており、組合としても対応策を検討しているところである。
乾麺
 食品産業界は、徹底した品質管理に最終課題として取り組まなければ、存続が難しい時代になってきた。また地場産業として、納入先である小規模小売店の減少と店舗間競争に対応できる企業でなければ生き残れない時代でもある。

木材・木製品製造業
製材業
 (外材輸入)  新設住宅着工数は首都圏を中心に好調に推移しており、製材品の荷動きは前月水準で推移している。しかし、産地価格は丸太、製材とも全面高となっており、不採算の状況下にあるため、製材品価格への転嫁が急務である。
紙・紙加工品製造業
紙器段ボール箱
 県内紙器業者は、板紙の原料である故紙の流通が国際化し、大量の故紙輸出が行われ、その価格は一時的に国内価格の2倍程に達したと言われている。そのあおりで国内板紙市況も15%以上も値上げされている。こうした中、県内各地区別に板紙単価を調査したところ、キロ単価で大きく開きがあった。このため、組合で共同仕入を検討すべきとの声も聞こえて来るが、諸々の条件があってかなり難しい状況にある。
印 刷
印刷
(県全体)新年度の始めの月も横這い又は低調な組合員が大勢であるが、企業によって格差がある。
(県南)例年、年度末(2月、3月、4月)は良好であったが、近年は学校関係は少子化で部数減少、また官公庁においても予算減のために売上が減少して来ている。
窯業・土石製品製造業
コンクリート製品
 当業界は、建設市場の急激な縮小に対して組合員企業の生産調整が追いつかず、供給過剰という構造的な問題が深刻化している。また、少ない市場の中で過当競争を繰り返し、安値受注を競っている。そして、これが当業界の疲弊を招く事態に陥っている。
砕石
(県北地区) 4月の売上高は前月比で+29.2%、前年同月比では−20.0%、年間累計の数量としては前年比で-6.3%であった。
 再生骨材代用品に関しては前年同月比で+50%となっている。
生コン
 4月の生コンクリート出荷数量は、公共工事の発注減により前月比86.8%と低調であった。
鉄鋼・金属・一般機械製造業
(郡山地区)
 鋼材価格の高騰に伴って副資材費も値上がりしているが、それらを受注価格に反映することは困難である。一見、受注価格が持ち直したように思われるが、実情は加工費が材料費に押されているということである。今までにリストラや事業縮小をして対処した企業と、何とか持ちこたえた企業との格差が広がって来ている。
 鋼材価格も高止まりのままとは言え一応落ち着き、今後の需要いかんによっては現在よりも良くなるのではないかと期待している。

各種プラント機器
 当プラント設備関連業界は、4月に入って新規物件の引き合いが増えて来ている。ただし、材料(特にステンレスや鋼材)の値上がりと納期の遅延が続いているため、収益状況は悪化傾向である。よって、引き続き厳しい状況で推移している。

電子工業
 5月と6月については、携帯電話、デジタルカメラ等の新製品発売により、受注量が増加しているが、7月以降については未定である。

卸売業
卸売業
 (県中地区)  例年のことではあるが、季節商品(一括納入商品)を扱っている卸の業績は良かった。一般の小売店、デパートは良くなかった。

 (県南地区)  連休に向けて、在庫数量が前月比で増加した。
 3月決算期の企業の大半が、前年対比で売上高の増加が予想されるが、未だ個人消費や設備投資など内需の冷えこみが厳しい。来月の見通しは、当地方は牡丹園、つつじ園の人出が予想されるため、売上高等でやや増加が期待される。  
再生資源
 中国向けの再生資源輸出価格が、国内市況に連動する傾向が益々強くなっている。鉄スクラップは中国の電力事情の悪化から輸出にブレーキがかかり、国内価格も大幅にダウンした。
 故紙は中国の欲しい段ボールの価格のみ若干上昇した。春期発生期のため国内メーカーでは在庫増となり、新聞、雑誌は弱含みである。街中のゴミ収集所からの資源物抜き取り人(アパッチと呼んでいる)達は、今や価格の上昇した鉄屑の回収に様変わりしている。
肥料卸
 荷動きが悪く、売上高は前年比で減少した。特に、果樹に対する元肥用石灰肥料の販売が不調だった。
小売業
共同店舗
 (浜通り地区のAショッピングセンター) 4月の当ショッピングセンターの売上を見ると、食品関係では前半は低調であった。これは、消費税が総額表示になったために、消費者は価格が高いイメージを持ったようである。専門店は、入学、進学関係を中心に部分的ではあるが売上が好調だった。しかし、全体的には4月の売上高は前月比でも前年同月比でも減少となった。
石油
 原油価格が上昇し続けているため、各元売とも仕切価格を値上げした。よって4月は、値上げと消費税の総額表示が重なって、店頭価格は各企業ごとで様々な対応となった。

商店街
福島市:
 新年度になっての消費上向きを期待したが、思っていたほどでなかった。特に月後半は低調であった。

郡山市:
 4月1日に改正消費税がスタートした。当商店街では、総額表示については大きな混乱はなかったようだ。しかし問題は、事業者免税点が1,000万円に下がり、新たに納税義務が発生する店主達の理解度がまだまだ低いことである。税務申告時の混乱が懸念される。
会津若松市:
 当商店街中心部の空店舗(ブティック跡)に、組合員(化粧品店)が移ることになったが、移転後の空店舗にはまだ入居予定がない。  
原町市:
 4月は、花見、ゴールデンウィークと気分的には浮かれる時期であるが、当商店街に吹く風はまだまだ冷たく感じられる。ただ、常磐高速道がこの4月富岡まで開通したので、これが景気浮揚につながって欲しい。
サービス業 
クリーニング
 クリーニング業界にとって、4月は繁忙期であるが、以前のように山がなくやや中だるみの感じで推移している。また、原油の大幅な値上げがあり、それに伴って関係製品も値上がりした。一方、繁忙期にもかかわらず、同業者間で値引競争を行っている者もある。
美容業
 県内の美容業界全体の業績は前年同月比で好転した。しかし、美容室の数も増加しているため、業績が向上しても組合員個々の増益にはなかなかつながらない。
旅館業
 (土湯温泉) 感覚的ではあるが、景気が上向いているとの声が聞かれるようになった。4月は天候が良く暖かい日も続いたので、ミズバショウ等の開花が早かった。さらに、地元で開催したイベント「第30回土湯こけし祭り」も好調であったため、客の入り込みも例年になく良かった。
ビルメンテナンス
 4月始めまでずれ込んだ入札の案件があり期待していたが、受注はかなわなかった。
 ビルメンテナンス協同組合の東北・信越ブロック会議が、4月26日に郡山市で開催された。各県の入札結果について報告があり、各県とも大手企業の進出により地元組合がかなり受注を逃している状況は本県と同様であった。
建設業
建設業
 (県一円)   公共工事におけるゼロ国債とゼロ県債の工事受注が少なく、4月を迎えても公共工事はほとんどない状況である。
 (県南地区)  工事の受注環境は、平成16年度もより厳しくなるとともに、都市部と地方の仕事量の格差は縮まりそうもないようである。中小建設業及び関連の資材業者は、公共工事はともかくとして民間工事の安値受注に耐えられなくなって来ている。デフレの限界が見えてこない。各社ともさらなるリストラ策を考えるか、異分野への進出に活路を求めるか悩んでいる。体力的にかなりまいっている事業者が増えている。
 平成16年度公共工事設計労務単価(国土交通省、農林水産省が3/23発表)は、ピークだった平成9年度の労務単価全国平均23,295円から7年連続で下落し、ピーク時の4分の3の水準(17,700円)まで下落した。本県の50職種平均単価も、15年度比4.1%マイナスの17,274円と下落している。
電気工事
 平成15年度末が終了し、4月から6月にかけはて受注が少なく厳しい。
管工事
 給水・排水設備申請とも前月比で減少した。 前年同月比では両申請とも微増実績であった。
運輸業  
トラック運送
(県北地区)  イラクの治安情勢の不安定さに加え、産油国の生産調整とアメリカの原油在庫が低水準であることなどから、原油価格の高騰は続いている。トラック業界にとっては、燃料費のアップと荷動き横這いのために、資金繰りと業況はより厳しくなっている。
ハイヤータクシー
 福島競馬と花見山観光でタクシーの利用があったが、前年同月比では厳しい結果となった。5月は例年良くない月であり、やや悪化の見通しである。