姫蝦夷法螺

ヒメエゾボラ 姫蝦夷法螺
(巻貝の仲間 エゾバイ科)




 福島では『北海真つぶ』と言う名でセリに出ていますが、寒海性の巻貝。
 本州の中部以北、サハリン近海・オホーツク海に分布し、北海道が産地。湖間帯(湖の」満
千によって地面があらわれるゾーン)から50p位の深さの海の砂泥底にすむ。岩礁地帯は小
さいものが多く、大型は少ない。
 産卵期は晩春から初夏。卵は卵嚢(らんのう)に収められた房状の卵塊を産む。この卵嚢は
硬く『ウミホオズキ』と呼ばれる。
 現今では北海道ばかりか、東京あたりまで『ツブ』または『ツブガイ』の名で親しまれ『活貝』
『生ムキ貝』『ゆでムキ貝』で、出回っている。
 東京浅草の酸漿市(ほおずきいち)の土産の酸漿の代用品に海酸漿がある。祭りの夜店に
欠く事の出来ないもので、赤・黄・紫などに染めて売っている。夏の風物詩として、懐かしい品
である。
 海酸漿は海産巻貝類の卵を保護する卵嚢で、貝の種類によって色々の形がある。
 例えば
    テングニシ  → グンバイホオズキ
    イトマキボラ → チャンチャンホオズキ
    アカニシ   → ナギナタホオズキ
 ナガニシやヒメエゾボラなどは一般的なウミホオズキで、なぎなた状・軍配状とさまざまであ
る。この卵嚢は結構硬く、小さな穴を開け口に入れて噛む時の音色を楽しむもので、子供達に
人気があった。
 
次回もお楽しみに!!
なるほど魚屋
(平成17年7月30日)


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