車体整備について

車体整備とは?
車体整備
 一般的に自動車の傷や凹みを修理するお店は『鈑金塗装屋』や『鈑金屋』と呼ばれています。外装のキズ、凹みは「美観の復元」が、フレーム(内部骨格)の損傷は「安全性機能の復元」が重要です。『車体整備』は、この安全性の復元も含めた「車の体全ての整備」です。
 整備というと、エンジンがかからなくなったとか煙が出てしまった等の、自動車の「内部的」な修理のイメージがありますが、『車体整備』は主に自動車の「外側」の修理を行います。この二つ、どちらも自動車の整備ですが、まったく異なった知識と技術が必要になります。
 では、車体整備の内容がどのようなものか見てみましょう。
【外板修正】
外板修正
 自動車のドアやボンネットなど、表になるパネル(鉄板部分)の修正、主に傷や凹みの修理の事をこう呼びます。ここ数年で、自動車のパネルは軽量化を図るために薄くて丈夫な鉄板に代わってきました。また、ナイロン素材やFRPといった樹脂を使う自動車も販売されております。
 以前は鉄の熱してから急激に冷やすと縮むという特性を利用して凹んでしまったパネルを修理してきましたが、素材の変化により修理方法も変わってきました。修正のためのパネルを叩く力加減が、職人の技と言われるところになります。
【骨格修正】
骨格修正
 自動車の形を支える骨格の修正です。表からは見えない部位なので実際にお目にする機会は少ない部分の修理です。
 骨格も軽量化の為にモノコックボディというパネルと骨格が一体化した形状になっております。こちらも事故の際搭乗者を守るために丈夫な素材を使用しております。『衝突安全ボディ』といわれる仕組みは、丈夫な素材を使っているゆえに修正には注意が必要です。しっかりと元の位置に復元する作業が以前と比べ大変困難となりました。
 自動車を大破してしまった場合、部品交換をする場合部品を溶接する必要があります。その際には、その溶接強度や溶接箇所も重要なポイントとなります。
【塗装】
塗装
 意外と知られていない事ですが、自動車の部品は元々色がついていません。部品交換と聞くと同じ色の部品が梱包されて送られてくる様なイメージがあると思います。確かに多くの樹脂部品は色が塗ってある状態で出荷されますが、全てが色付き部品ではないのです。そして色も、メーカーから作られて出荷されてくるわけではありません。絵具と一緒で、何十種類という原色を混ぜ合わせて、その自動車に合わせた色を作成して塗装します。最近の自動車は様々なカラーバリエーションが魅力のひとつですが、同時に、表現が難しい色が増えたという反面もあります。
 塗料の素材も変化してきました。環境問題の改善から有機溶剤(シンナー)排出を少なくするために『水性塗料』というものが導入されました。『水と油』というように水性塗料で塗装されたパネルにはしっかりとした処理を行わないと塗装が剥げる原因となります。

 その他にもオーディオやナビゲージョン、ヘッドランプや室内灯といった電装品、ガラス、シートやフロアマットなどの内装品など、様々なジャンルの項目がありますが、車体整備の代表的な項目を上げさせていただきました。