鉄錆塗

概説

鉄錆塗と言いますが、錆を盛り上げて描く錆絵の加飾技法のことをさします。

鉄錆塗の代表的な品物である吸物椀では、蓋表に、梅に鴬の模様を錆で盛り上げ、所々に青貝が埋めてあります。

一見して、さびた鉄の鋳造品のような印象がするように仕上げてあります。

錆絵と言っても、下地用の錆とは違い、砥の粉と生漆を混ぜてから、水を混ぜてゆる<した錆を、染色用の絞り筒に入れ、絞り出すようにして、模様を筒描きします。

蓋裏は朱塗りの上に、会津の代表的な模様である富士山に帆掛け船が、消蒔絵と色漆のぼかしで描かれています。

明治20年頃から大正5年頃まで、盛んに行われた技法で、鉄錆塗は女子の手間仕事だったと言われています。


鉄錆塗工程表

1) 置目

2) 錆絵描き

鉄錆盛り上げ

絞り出し器

3)地塗

4)粉蒔き(地の粉+砥の粉+弁柄)

5) 磨き(古綿·馬毛·真綿)・艶出し

DESIGN IDEA(会津漆器伝統技術2)福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(平成11年3月,16p)P.9・10より転載


福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター作成パンフレット pdf版

会津漆器伝統蒔絵特集

DESIGN IDEA No.20

福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター

平成7年4月発行,10p

会津漆器伝統技術1

DESIGN IDEA No.23

福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター

平成10年3月発行,8p

会津漆器伝統技術2

DESIGN IDEA No.24

福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター

平成11年3月発行,16p

掲載事項(文章、写真、図版等)の無断使用を禁じます。